また来年も来る

天気の良い日だった。

ポカポカとしていて春を満喫できるようだった。

フチベニベンケイを育てていて、毎年冬は小さな園芸用のハウスで越冬させている。

その園芸用ハウスの撤去をしているときに、来年もこれを私は出すのか、と思うと、穏やかに流れるような安心、幸せを感じた。

今までハウスをしまうときには来年も使えるようにビニール袋に入れるだけだったけれど、今日は雑巾で乾拭きして、サビや砂ほこりや汚れを落としてから、次の冬に気持ち良く取り出せるように、細々とした物はビニール袋へ入れて、後は箱に入れてしまった。

こんな風にハウスを丁寧にしまったのは初めてで、私はこの生活を続けられると思っているのだろう。

冬の間はたまに水をやるくらいで、世話をあまりしなかったが、今日取り出して見ると、日光不足でふにゃふにゃになっていたり、小さい芽は消えてしまっていたり、私の見ていないところでこの植物たちは生きる戦いをしていたのだ、と思った。

今日は思い切り日光に当てさせてあげて、培養土も足して、水やりもして、明日の朝、今日よりも元気になっている姿が見られたらいいな、と思っているけれど、もしかしたら、枯れているものもいるかもしれない。明日の朝を待ちたいと思う。

培養土をやるときに芽が取れてしまったものもあって、それは水耕栽培で根が1センチくらい出るまで育てることにした。植物の生命力は頼もしく、手入れをしていないのにぐんぐん大きくなる姿を見ると、本来の生き物のあるべき姿を見たような気がして、私は元気になる。この植物は日光が大好きということは経験からわかっているので、今日から日光をたくさん浴びさせてあげたいと思っている。風通しの良い、日光の当たる縁側のような場所が好きだと勝手に思っている。

次の冬がきたら今日しまったハウスに入れてあげて越冬させてあげよう。

おばあちゃんの贈り物は大事に守っていきます。